昨日は母の日でしたね。
お母さんへ、それぞれの想いを贈られた方も多いのではないでしょうか。
長年、花屋で働いていた私にとって、5月といえば真っ先に浮かぶのが母の日です。
花屋にとって、一年の中でも特に忙しい季節。
ゴールデンウィークがあり、気候もよく、ブライダルシーズンとも重なるこの時期は、本当に毎日慌ただしく過ぎていきます。
朝から晩までお花に囲まれて、気づけば一日が終わっている。
そんな日々を過ごしていたなぁと、この季節になると毎年しみじみ思い出します。
今年は、花屋時代の仲間がお店をしているので、少しだけお手伝いに行ってきました。
久しぶりにお花に触れられる時間。
花の香りや、色に囲まれる空間は特別で、慌ただしい中にもどこか癒される感覚があります。
母の日といえば、カーネーション。
「どうして母の日はカーネーションなの?」と思ったことがある方もいるかもしれません。
由来にはいろいろな説がありますが、よく知られているのは、アメリカのアンナ・ジャービスという女性が、亡くなったお母さんを偲んで白いカーネーションを贈ったことが始まりと言われています。
そこから、“母への感謝を伝える花”として広まっていったそうです。
そんな背景を知ると、毎年なんとなく見ていたカーネーションも、少し違って見える気がします。
とはいえ、最近は母の日の贈り物も本当にさまざまですよね。
スイーツだったり、実用的なものだったり。
「お花より、こっちの方が嬉しい」という方ももちろんいると思います。
実際、私自身も毎年
「今って、どのくらいの人がお花を贈るんだろう?」
なんて考えることがあります。
でも、お店に立っていると、やっぱりお花を選びに来てくれる方はたくさんいて。
特に印象に残るのが、お父さんと子どもさんで来られる姿です。
「これかわいい!」と、自分の好きなお花を選ぶ子。
「お母さん、ピンク好きだから」と色で選ぶ子。
珍しい形のお花に惹かれる子。
小さな手で一生懸命お花を選ぶ姿を見ていると、それだけで胸があたたかくなります。
きっと、お母さんが喜ぶ姿を想像しているんだろうな、とこちらまで想像してしまって。
普段あまり触れることのないお花を、真剣に選んでいる姿には、毎年いろんな気持ちをもらいます。
お花って、形としてはいつか終わりがくるものです。
「枯れてしまうし、もったいない」
「残るものの方がいい」
そう感じる方がいるのも自然なことだと思います。
実際、私もお花が好きじゃなければ、そう感じていたかもしれません。
でも、お花って“ずっと残るもの”ではないからこそ、特別な気もしています。
数日だけ部屋が明るくなったり、
ふと目に入るたびに気持ちがやわらいだり。
その時間ごと、「ありがとう」の気持ちを届けてくれるような気がするんです。
きれいなまま残るものではないけれど、
その瞬間の想いをそっと包んでくれるものなのかもしれません。
もちろん、感じ方は人それぞれ。
どちらが正しいというものでもありません。
街の花屋さんの前を通ると、どのお店にもたくさんのお客さんがいて、
今年もいろんな場所で、たくさんの「ありがとう」があふれていたんだろうなと思いました。
久しぶりに花に触れて、
やっぱり私は花が好きなんだなぁと思いました。
忙しかった花屋時代は本当に大変だったけれど、
今になると、こうして母の日の空気に触れる時間も、どこか懐かしく感じます。
お母さんへ贈った方も。
心の中で思い浮かべた方も。
それぞれの想いが、やさしく届いていますように。
そして、昨日何も贈れなかった方も。
まだまだ遅くないです。
「遅れてごめんね便」で、日頃のありがとうを贈りましょう!
